【思考】「失われた20年」を抜け出す日本の計略は?
終わったばかりの2017年、日本経済は多様化する再編ラッシュという環境の中で、政策による喚起と政策的周期のメリットを享受し、これに慣れ始め、一時的な復興をみせた。18年になり、日本経済はこの復興の流れを維持することができるだろうか。
2017年 内外の力で成長を喚起
外部需要の回復に背中を押されて、日本の経済成長は16年第2四半期以来、回復傾向を示し、失業率の低下が続いている。実際、15年第2四半期以降、日本の実質国内総生産(GDP)は国際金融危機発生以降で最長の前年同期比での持続的な成長を記録した。グローバル経済環境が復興し、エネルギー価格が安定したことが、日本の最近の経済的安定の要因になっている。一方で、米国経済は引き続き拡大期にあり、欧州の政治の不確定要因が減少し、中国を代表とするアジアのエコノミーの成長ペースが安定の中で上昇し、全体としての大環境の復興が日本の輸出を促した。また一方で、原油や天然ガスなどのエネルギー価格が低水準で安定し、これはエネルギーを基本的に輸入に依存する日本にとって好材料になった。また日本の国内需要も回復した。短期高頻度データをみると、景気動向指数もユーロ圏Sentix投資家信頼感指数も15年の最高を上回り、製造業とサービス業の購買担当者指数(PMI)も高水準で安定し、消費者信頼感指数は引き続き上昇のエネルギーをみせた。
緩和政策のメリットが続いていることが、日本経済が引き続き復興するための重要な原動力だ。17年に主要な発達したエコノミーはどこも失業率とインフレ率がそろって低下し、デフレに長らく悩まされてきた日本は失業率が低下すると同時に、インフレの中心が上昇し、緩和政策の成果がみられた。金融政策では、17年には日本銀行(中央銀行)の「マイナス金利プラス量的・質的金融緩和(QQE)」を中核とする金融政策には変化がなかった。財政政策では、17年9月、安倍政権は財政健全化目標の達成時期を21年3月に先送りし、内閣に2兆円規模の新しい経済活性化プランを制定するよう支持した。ここからわかるのは、安倍晋三首相は13年と15年にいわゆる「3本の矢」と「新3本の矢」を射たが、経済牽引の主な手段としてはいまだに極端な経済政策に頼っているということだ。
2018年に花は開き、そしてしぼむ経済復興はスタミナ不足
政策的空間の縮小に制約されて、日本の金融政策と財政政策の効果は以前ほど上がらないとみられる。18年には安倍首相の再任により、黒田東彦氏が引き続き日銀総裁の任に当たる可能性がある。現在、米連邦準備制度理事会(FRB)はバランスシートを縮小し、年内に再び利上げに踏み切る可能性が高い。欧州中央銀行も債券購入規模の縮小を明らかにし、日本の金融緩和政策はこれ以上力を入れることが難しい。黒田総裁はその任期中に2%のインフレ目標の達成時期を6回にわたって先送りし、国民と市場の間では中央銀行の約束や政策ツールに対する信頼が揺らぎ始めている。失われた過去20年間は日本国民の心理状態に深い影響を与え、「菊と刀」に象徴される文化の二面性の下、信頼感の再構築には長期的な努力が必要になる。そこで改めてインフレ観測を通じてポジティブフィードバックを果たしインフレ目標を達成したいと考えても、「アベノミクス」ならぬ「アベノ心理学」が力を発揮することは難しい。安倍首相の新経済活性化プランはまだ打ち出されていないが、その経済振興作用は19年に予定される消費税率引き上げの予測との間で相殺され、もはや重い負担に耐えることのできない政府の財政は新たな圧力を受け止められない可能性がある。
目立った内在的エネルギーの継続やすべての生産要素の生産効率向上がみられないうちは、日本経済はスタミナ不足が続くといえる。程チーフエコノミストによると、「私たちの予測では、日本の18年の経済成長率は約0.7%、インフレ率は約0.5%になる。日本の株式市場は上昇の余地がそれほどなく、さらに段階的な調整の圧力に直面する。国債の利回り曲線(イールドカーブ)は昨年9月から徐々にカーブがきつくなっており、しばらくはこの状態が続くとみられる。18年は朝鮮半島の危機、欧州の地政学的圧力の回帰、金融市場の内在的不安定リスクがリスク回避ムードの段階的な反発を招く可能性があるが、日本経済は引き続き内在的エネルギーを欠いており、FRBが引き締めを進めて強いドル観測が広がる中、円の長期的な弱まりが引き続き基調になる」という。
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